オーディオの迷信 インサイドフォースキャンセラー編 [オーディオ]
ネット上でオーディオマニアの方々の意見を見て回っていると、色々な意見があり、楽し
いのですが、誤解もあるようです。今回私のプレーヤーでも、きちんとインサイドフォー
スキャンセラーを調整したら、左右のバランスが一層良くなりました。特に位相が揃った
感じがします。(^^;
一方で、インサイドフォースキャンセラーについて迷信を持っておられる方もいる様です。
下の写真の糸で吊ってある重りによってインサイドフォースをキャンセルする機構です。
写真は私の持っているSMEのアームと同型の物です。私のはこんなには錆びていません。(^^;
(写真は他からお借りしました)
下の画像は、私の持っている日本放送協会出版の「レコードプレーヤ」山本武夫著から
です。よく勘違いされている方の考え方は、摩擦力Fは針先とレコード盤によるものなの
で、トラッキング角φで出てくる成分Fsinφはインサイドフォースの源ですが、この力も
針先にかかっていると考えてしまいがちです。針先に針圧相当の質量があり、アームが
圧力を何もかけていなければ正しいのです。しかし、実際には針圧相当の質量をテコの
原理でアーム全体で作り出しています。ですから、Fsinφの力はアームのカートリッジと
ヘッドシェルあたりにあると思われる「質量中心」に働きます。
もう一つの考え方は、摩擦力Fに対しての反作用として-Fの力を考えれば、これはアーム
全体で針先を反対側に引っ張っています。これのインサイドフォース成分は-Fsin(-φ)=
Fsinφとなり、インサイドフォースは針先でなくアームにかかる力であると理解できます。
下の図のような針先だけで力を考えてしまいがちですが、下の針圧のベクトルOAは針の
質量ではなく、アーム全体で押し付けた力だという事を忘れては行けません。
インサイドフォースは針先にかかるので、カートリッジはゴムダンパーで結ばれており、
弾性があるために、アームで反対方向に力をかけても効果はない、効果は薄いという意見
は私は迷信だと思います。(^^;
私はやったことがありませんが、この本によれば、片面録音のソノシートの裏面の音溝の
無いところで実験すれば、針先を含めたアーム全体が内側に引かれるのが観察出来るそう
です。
真理ちゃんのステレオには、インサイドフォースキャンセラーは付いていたのでしょうか。
(^^;