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嗚呼、感動の上行ポルタメント ブルーノ・ワルター ウィーン・フィル [音楽]

モーツァルトの交響曲第40番の第一楽章の第3、5小節の所の上行ポルタメント。ワル

ターの演奏は現代では賛否両論別れるとは思いますが、チャーミングな表現で私は好きで

す。ワルター76歳の時、1952年の私が生まれた年に録音されたレコードです。ワル

ターがウィーン・フィルを振ったらどんな演奏になるのだろうと思って購入した記憶があ

ります。ラジオ放送用のライブ録音なのでHiFiとは言えませんが、当時の聴衆の拍手の音が

ワルターに対する期待感を表しているように聞こえます。

このレコードの解説の宇野功芳氏は、この「上行ポルタメント」の事を「永遠の40番ー

ああ、この上行ポルタメント」とタイトルして、オーバーに持ち上げて色々と書いていま

す。(^^;

(写真は他からお借りしました)

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ワルターの晩年の1959年に、83歳で録音された、コロムビア交響楽団のステレオ盤

です。私はもっぱらこのレコードで40番は聴いていました。録音のため、高齢のワルタ

ーの為に当時の米CBSが用意した「コロムビア交響楽団」は寄せ集めで下手糞だと酷評す

る人もいました。ウィーン・フィル盤と比べると、ウィーン・フィルの上手さは感じます

が、どちらのレコードもワルターの音楽のエッセンスはちゃんと表現されていると思いま

す。ステレオ盤でもワルター流「上行ポルタメント」は感じます。

また、高齢のワルターの体力を考慮して、「コロムビア交響楽団」は編成を小さくして録

音したそうです。それを何ミリsecかずらして録音を重ねて、編成を大きく感じる様に細工

をしたレコードだという事を何かで読んだ記憶があります。

一部のオーディオマニアには不評だったようです。しかし、この様な当時の米CBSの配慮

や技術によって、ワルターの多くのステレオ録音が残されました。私の父親が昔、ステレ

オレコードが国内で初めて出た頃買ったのが、ワルターのベートーベンの「田園」でした。

このレコードとの出会いが無ければ私はブルーノ・ワルターの存在すら知らずにいたでしょ

う。

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この記事を書くにあたって、YouTubeで、カラヤン、ベーム等6~7人の演奏を聴いてみ

ました。ワルターの様なポルタメントの感じはありませんでした。この曲のためのワルタ

ー独特のポルタメントのかけ方なのでしょう。(^^;

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