バリオス フリア・フロリダ(舟歌) [クラシックギター]
Julia FloridaはJuliaが女性の名前で、Floridaがスペインの花祭りの意味だとネットに
書かれている人がいました。まあ、「花の様に美しいフリア」というような意味でしょう。
私の下の全音のベニーテス版では「舟歌」としか書いてありません。(^^;
確か学生時代、聖子先生のプロのお弟子さんだったと思いますが、どこかで弾いていたの
を思い出します。いい曲だなと思ってから、半世紀が経ってしまいました。20年くらい前
に少し練習してみたのですが、その時は何故かピンと来るものが無かった様に記憶してい
ます。当時はまだ南米の作曲家に「アレルギー」も少しあった様な気がします。(^^;
ワルツ3番、4番、フリア・フロリダがまとめて載っているので、ベニーテス版との運指の
参考に鈴木大介版の「バリオス傑作選」を今回購入してみました。「バリオス選集1」は
現代ギター社にはもう無いようでした。
運指の違いはさほど感じませんが、下の譜例の様に、ベニーテス版は一拍目をバスとして
付点四分音符で始めているのに対して、鈴木大介版の様に八分音符で始めている違いがあ
りました。後もほぼ同様ですが。(鈴木大介版は少し鈴木大介氏の手が加わっているのか
も知れませんが)ベニーテス版の音形が全体を支配する方が、「舟歌」の雰囲気がより感
じられます。鈴木大介版「フリア・フロリダ(舟歌)」は「フリア嬢?」に捧げるために
「舟歌」の雰囲気を薄くして、メロディーが引き立つ「編曲」だと思います。どちらが良
いかは、弾く人の好みでしょう。
音楽的にはベニーテス版の「舟歌」の方が私は優れていると感じます。
このバリオスの「舟歌」は、タンスマンの「カヴァティーナ組曲」の「舟歌」と並ぶ名曲だ
と感じております。タンスマンは「舟歌」を表現するために、明瞭に付点八分、十六分、八
分としています。バリオスの「舟歌」は冒頭のバス音の付点四分音符と次の八分音符の間
に、バス音に乗って絶妙な”間”を奏者によって作れます。ギタリストでもあるバリオスは、
この様な効果を計算していたのではないかと思います。
(以上は、あくまで私の浅薄な知識と音楽観によるものです。悪しからず。(^^; )
鈴木大介版 バリオス「フリア・フロリダ(舟歌)」
ベニーテス版 バリオス「舟歌」
ジガンテ版 タンスマン「カヴァティーナ組曲」より「舟歌」
以前は、バリオスと言えば「大聖堂」しか頭になかったのですが、今回改めてバリオスの
ワルツ3番、4番に触れてみて、そして、この「フリア・フロリダ」or「舟歌」も心が安ら
ぐ,優れたギター曲であると私は感じました。
「マリ・フロリダ」として真理ちゃんに捧げようと思います。ただし、ベニーテス版の
「舟歌」を練習します。甘ったるくなり過ぎずに、音楽的に美しく弾くのはなかなか難
しいですが、ここ数日集中的に練習してみましたが、この曲は何とかなりそうです。
所詮、私の手慰み程度での話ではありますが。(^^;
動機不純ですが、最近はこのぐらいのことを思わないと、なかなか練習に集中出来ませ
ん。(^^;
(写真はちっちゃい私さんの所から勝手にお借りしました)