失われた音を求めて [オーディオ]
2年ほど前にお亡くなりになった、館山のレストラン「コンコルド」の店主で、無線と実
験のライターで真空管アンプ製作家の、佐久間駿氏の著作「失われた音を求めて 直熱
管アンプ放浪記」と言うのがあります。
私は、当時無線と実験誌で記事を読んで驚きました。無帰還のトランス結合の直熱管アン
プなのです。しかも、DL-102とローサーのスピーカーでモノラル再生なのです。
社会人になってしばらくして、ドライブがてら館山の「コンコルド」に行きました。シゲ
ッティのバッハのシャコンヌをかけてもらいました。私がそれまでにレコードでは聴いた
ことのない心地良いヴァイオリンの音でした。
(写真は他からお借りしました)
私は学生時代から真空管無帰還アンプの音質に一目置いていました。
また最近虫が騒いでしまいました。自作の2A3全段トランス結合差動PP無帰還アンプを復
活してみたくなりました。そのためにプリアンプも無帰還のCR型イコライザーを作ってみ
ました。佐久間駿氏の記事の回路をそのまま真似するのは、部品等ちょっと無理があるの
で、コンセプトは同様にして、安斉勝太郎氏の製作例も参考にしました。
6SL7GTのパラ接続の後に安斉勝太郎氏設計のCRイコライザー回路を入れて、5692のpp
のカソードに定電流回路を入れてアレンジしました。出力ライントランスはタンゴのNPW-
600です。学生時代、安斉勝太郎氏の記事でWE RA-1474-Fをアレンジしたものが載ってい
たので、コピーして作った時の物です。このWE RA-1474-Fはpp出力段が巧妙な位相反転
回路になっており興味を持たされました。
佐久間駿氏のCRイコライザーの定数を使わなかったのは、以前回路シミュレーターで特性
を調べた時に疑問を感じたからです。私のシミュレーターの使い方が間違っていたのかも
しれませんが。(^^;
安斉勝太郎氏は元々プロの電気技術者だったので、記事にも測定データをちゃんと載せてい
ます。佐久間駿氏の記事はいたって情緒的、感覚的ですが、実際に聴きに行ってみたら驚き
ます。
使用真空管は6SL7GTは旧ソ連製で、RCA5692が大学時代の研究室の処分品1本と、社会
人になってから購入したGE5692の1本です。これらの真空管がへたっていれば、手持ちの
6SN7GTを使います。後はシルバニアの水銀整流管のHX-83を使います。
ケースはHX-83と大型のオイルコンを入れるので、大きめのリードのCR-200を使います。
上手く完成したら、また試聴の事を書きたいと思います。(^^;