天地真理は現在進行形で聴くべし [音楽]
私は、どんな古いレコ-ドでも「過去形」で聴くことはありません。フルトヴェングラー
の古いレコ-ドを聴くとき、「今」私の目の前で演奏しており、聴き終わった後の感想も、
「このレコードの演奏は素晴らしかった」の過去形ではなく「このレコードの演奏は素晴
らしい」と現在形で感じます。
天地真理のレコ-ドも同じです。半世紀の昔から、今蘇って私のために歌ってくれている
のです。天地真理の歌は「よかった」ではなく、「いい」のです。音楽はどんなに古い
録音でも、その人に現在進行形で訴えかけてくれるのです。
ポスターや写真も欲しいですが、今天地真理を「感じる」には曲を少しでも良い音で聴く
事だと思っています。
天地真理病ステージⅣの老人の寝言です。(^^;
ただ、私の持っているレコ-ドで一枚だけ「過去形」で聴きたいと感じるレコ-ドが
あります。
メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウのバッハの「マタイ受難曲」です。
私のレコードは抜粋盤ですが、ナチス・ドイツによる戦争が迫り来る時代背景における録音
で、聴衆のすすり泣きの声が録音に入っている歴史的名盤です。
本当はこのような歴史を、遠い過去の「メンゲルベルク渾身の名演奏でした。」としては
いけないのですが。
この演奏は、バッハの演奏としては酷評する人もいます。
バッハの今日的解釈や様式とは大変異なる演奏ですが、私は、カザルスやセゴビアのバッハ
の演奏とともに素晴らしい演奏だと思います。