初心忘るべからずとは言うけれど [クラシックギター]
是非の初心忘るべからず。
時々の初心忘るべからず。
老後の初心忘るべからず。と世阿弥の「花鏡」にあるそうです。読んだことはありませ
んが。(^^;
私が中学1年の1965年は、ベンチャーズのエレキブームでした。テレビで見た「ダイヤモ
ンド・ヘッド」の”テケテケテケ”に刺激され、親にエレキを買ってくれとせがんだのを思い
出します。(^^;
Gパンすら”不良”の穿くものだと言っていた親でしたから、エレキも”不良”だと言って買っ
てもらえませんでした。同じ社宅の同級生が早速エレキを買ってもらって、見せびらかして
いたのを思い出します。
ならば、クラシックギターなら”不良”ではないだろうと言って買ってもらいました。同じ
ギターなのでとりあえずお茶を濁しておこうと思ったのです。当時の松岡良治の一番安い
モデルだったと思います。下のヘッドの形だけは今でもよく覚えています。(^^;
東京音楽アカデミーだったと思いますが、サンプルのソノシートを取り寄せて聴いたのを
記憶しています。「エルビート」、おそらく私が初めて聴いたクラッシクギターの演奏だっ
たと思います。故小原安正氏か小原聖子先生の演奏だったと思います。この曲は、子供心
には大変刺激的だったと思います。
その後中学2年くらいから、溝渕浩五郎編著「カルカッシ・ギター教則本」を買ったり、N
HKの「ギター教室」を見たりしていたと思いますが、「ギター教室」は私が高校生の頃の
1968年10月~3月の故阿部保夫氏のテキスト以降の数冊しか残っていないので、1966年の
初回から見始ていたのかは記憶がありません。カルカッシの教本は、かなり適当でしたが一
度も間違えずに弾けたら次に行くようなやり方で、ほぼ全ページやったと記憶しています。
(^^;
今日思い出せば、狭い畳の部屋しかない社宅住まいでしたので、勉強机と椅子は父が使っ
ていたおさがりを使っていました。家の中には他に椅子は無かったと思います。椅子に座
って足台を使う事は既に知っていましたし、父がヴァイオリンを趣味でやっていたので譜
面台もありました。しかし私は、何の疑問もなくちゃぶ台に教本を載せて、畳にあぐらを
かいて練習をしていました。大学に入っても下宿には炬燵が付いたテーブルしか持って行
かなかったので、椅子に座って弾くのは、大学に行って授業をよくサボって練習していた
時だけでした。今更ギターのせいにしても仕方がありませんが、これが私が可山優三にな
ってしまった理由の一つです。(^^;
いささか動機不純で始めたギターですが、この様な初歩段階の大変不適切な練習が、今日の
私の構えや、押弦や、弾弦に大きく悪影響を残していると思います。