天地真理「夏を忘れた海」に見る音楽的こころ [音楽]
この曲は、最初は昭和47年12月発売のアルバム「明日へのメロディー」B面1番目の曲
として出されました。その後ライブアルバム「オン・ステージ」、「私は天地真理」にも
収録されました。最後が下のファンクラブ向け非売品のEP盤です。ヒット曲全集やギフト
パック等は別にして、4回もレコードに収録された天地真理の曲はこの曲だけです。
シングルA面のいわゆるヒット曲ではなく、オリジナルアルバムの中の1曲が4回もレコー
ドに収録されることは珍しいことだと思います。
しかし、私は学生時代、ギフトパックのLPでこの曲を持っていましたが、少し寂しい曲
と感じていました。当時の私が天地真理に求めていた「元気で可愛い真理ちゃんの歌」のイ
メージと異なっていたため、ほとんどこの曲は聴くことがありませんでした。
今日の私には、この曲は素晴らしいと感じます。特に、過ぎ去った青春の日々を思い出し
ながら聴く「私は天地真理」のピアノ弾き語りのこの曲には、聴く者を遠い過去の感傷的
な世界に連れて行ってくれます。真理ちゃんの歌唱力の素晴らしさです。
この曲を聴くと、何故かパット・ブーンの「砂に書いたラブレター」を思い出します。
ライブやスタジオ録音でレコードに収録された4種類の「夏を忘れた海」は天地真理の音楽
表現力の多様性を示していると思います。